サイクルサッカーとは
サイクルサッカーは、自転車で行うサッカーに似たスポーツで、体育館などで行われる室内自転車競技の一種です。英語ではサイクルボール(Cycle-ball)、ドイツ語ではラートバル(Radball)といいます。競技には専用の自転車を使い、主に前輪を使ってドリブルやパス、シュートをします。ほとんど「立ちこぎ」でプレーするため、自転車はハンドルが上を向き、ギアは固定ギアになっています。
使用するボールは表面が布製で直径は17~18cm、重さは500~600g。コートの広さは11m×14mで、試合は2対2で行います。試合時間は前半7分、後半7分の合計14分。試合中、選手は地面に足を着いてはいけません。サイクルサッカーは自転車を巧みに操りながら、ゴールを狙うスポーツです。
日本ではほとんどの選手が大学から始めます。最初はその場で足をつかずに立つ「スタンディング」という練習をします。初めてプレーを見るとサーカスのような動きに驚きますが、練習を続ければ誰でもターン、パス、フェイント、シュートなどの、サイクルサッカーのかけ引きを楽しむことができるようになります。
参考:日本室内競技連盟
発祥と歴史
歴史的には馬を使った球技「ポロ」が元で、馬を飼えない人たちが馬の代わりに自転車を使って始まった「サイクルポロ」が起源とされています。その後、室内自転車競技として発展し、今日の姿となりました。1927年に初めての世界選手権がドイツで開催され、日本には1970年頃に導入されました。
現在国内の競技人口は約200名。サイクルサッカーの本場はヨーロッパですが、世界選手権は毎年世界各地で開催されています。日本でも過去2回、2001年と2011年に世界選手権が行われました。珍しいスポーツですが、日本で初めての開催となる2001年の世界選手権では、皇太子や当時の小泉首相もご視察され、盛り上がりを見せました。徐々にですが知名度・日本のレベルも上がり、今に至っています。
日本のレベル
世界選手権の戦績
- 2014年
- 世界8位 Bグループ準優勝/ブルノ(チェコ)
- 2013年
- 世界10位 Bグループ4位/バーゼル(スイス)
- 2012年
- 世界8位 Bグループ準優勝/アシャッフェンブルグ(ドイツ)
- 2011年
- 世界8位 Bグループ準優勝/鹿児島
- 2010年
- 世界8位 Bグループ準優勝/シュトゥットガルト(ドイツ)
- 2009年
- 世界7位 Aグループ6位・入替戦敗退/タビラ(ポルトガル)
- 2008年
- 世界5位 Aグループ5位/ドルンビルン(オーストリア)
- 2007年
- 世界6位 Bグループ優勝・入替戦勝利/ヴィンタトゥール(スイス)
サイクルサッカーは現在ヨーロッパとアジアの世界15カ国で競技されていますが、強豪国はドイツ、スイス、オーストリア、チェコ、ベルギーとヨーロッパに集中しています。世界選手権のAグループは上位6カ国で構成され、この5カ国はAグループ常連国です。日本、フランス、ルーマニアなどがこれに続き、順位争いをしています。近年はヨーロッパの選手との交流など連盟による選手強化策が盛んとなり、日本の全体的なレベルは徐々にですが上がってきています。